桃の節句の流しびな
年中行事がいまだ旧暦にそって行われることの多い山陰地方。
ここ安来市でも、雛祭りは旧暦の3月3日、現在の暦では4月3日が中心になります。
桃の花が咲くこの時期が、本来の「桃の節句」。
大森ファームの桃の木も見ごろを迎えて目を喜ばせてくれています。
3月の末頃まで「なかなか咲かないな~」と思いながら見ていた桜も、
4月に入るとそれまで貯めていたエネルギーを一気に放ったかのように、たちまち満開になりました。
先日、安来市広瀬地区で毎年開催される「富田のひな流し」という流しびな行事に参加しました。
この一年間の子どもの健やかな成長を願うこの行事。
竹で編まれた雛に参加者一人ひとりが願い事を書き、手を合わせながら川にひなを流していきます。
もともとひな祭りは季節の変わり目(節句)に紙や木、粘土などで人の形につくったものを形代として、
その形代に自分自身の厄やけがれを移し、水に流して清めるという厄払いの儀式でした。
この流しびなの一つひとつが、住民のみなさんの手でつくられています。
遠い昔、子どもが無事に大人になることが当たり前のことではなかった時代には、
子どもたちが一年間を無病息災のもとで過ごせること、元気に育つことは切実な願いであったはず。
その名残が、子どもの成長を願う祭りという形に変化していったのではないかなと思います。
今年も健康に過ごせますように。
2019.04.13
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